いまここに、あるもので

わざわざ要らないものを遠くから持ってくることないよね

マネーと共に生きる その4 豊かさと消費の関係性 

豊かさと消費は比例するものなのか

 

消費を美徳とするアメリカ人のドキュメンタリーを見てその疑問が感じました。

大量にひっきりなしに消費する彼らは、幸福にも文化的にも見えない。

 

個人破産・アメリカ経済がおかしい』



リーマンショックの直前、2000年代後半アメリカのドキュメンタリーです。

そのうち消されるかも知れないので、登場人物と内容も記載します。

 

 

ミニマムペイメントとリファイナンスで借金を増やす社会

 

キーワードとなる二つの用語を先にご紹介します。

 

ミニマムペイメントとは

 クレジット決済用語で、リボルビング払いの一種。

 毎月最低返済額を支払えば、残額は先送りできるというシステム。

 ただし高金利です。

 

ファイナンスとは

 購入した住宅の価値(価格)が上がった際に、金利の安いローンに乗り換えること。

 毎月の返済額が減ります。

 価値が上がった住宅を担保に借金をする者が多く登場します。

 しかしこれ住宅価値が半永久的に上がる、という前提でだけ可能になります。

 

 『住みながら価値を上げられる』

 『ローン返済に困ったら住宅を売ればいい』

 『住宅価値が上がったら、担保で借金して消費できる』

という謳い文句で住宅を売っていたのが、サブプライムローンです。

もう一度、住宅価値が半永久的に上がる、という前提でだけ可能になります。

 

自由に消費しているかのように見える登場人物たち

 

ハリソンさん(30代前半) フロリダ州の携帯電話会社オーナー

 ジャグジー付きプール、豪邸に高給家具、3日一度の高級レストラン通い、 

 全てをクレジットカードで支払いしている。

 借金は1000万超えだが、月々の支払いはミニマムペイメント20万円。 

 クレジットカードは15枚所有している。

 

ファーマー一家(40代の夫婦、娘3人) フロリダ州の共働き夫婦

妻の育児休暇をきっかけに、教育費をミニマムペイメントで賄ように。

月6万円までの出費と決めていたが、いつのまにか20万円まで出費していた。

金利は毎月20%!

その後破産、家を引き払うことに。

 

アーンズオート一家 (40代夫婦で娘一人) ロス郊外パームスプリングス在住

 住宅の値上がりを担保に借金を繰り返している。

 サンドバイク(砂漠用バイク)3台160万、水上バイク、別荘などキリがない。

 

サリナスさん パームスプリングス在住

 住宅価値を上げようとリフォームを闇雲にリフォームを繰り返す。

 どのくらい価格が上がっているのかはよく分かっていない。

 

クックさん テネシー州ノックヴィルの金融ブローカー

 借金を増やすことを条件に、低金利ローンへの乗り換えを勧めるのが彼の仕事。

 金融機関のゴミ袋をあさって、高金利借金で首が廻らない債権者を漁る。

 

マイク&ヘザーさん(20代夫婦) パームスプリングス在住

 リファイナンスを期待して高級住宅地に購入したものの、自宅が値上がりしない。

 それはパームスプリングスに安い住宅が増えてきたから。

 住宅価格が下がり始めたからだ。

 高級車と外食、住宅ローンと消費のツケは、月60万の返済義務へと膨れあがる。

 大工の夫は一日16時間労働。

 

オサリバン一家(30代夫婦と子供3人くらい) シカゴ在住

 住宅購入後、4回のリファイナンスで借金を増やし、2600万円に膨れ上がる。

 月の返済義務は23万円。

 ITバブルがはじけ、妻が失業するとローンは滞納。

 

国をあげての貧困ビジネス

 

個人破産が増えるたび、

銀行やクレジット会社はカード勧誘を強化するようです。

前者の損失を新規加入者で補うためです。

それは違法でも何でもありません。

 

ミニマムペイメントにしても、リファイナンスにしても、

資産は全く増えず、ただただ借金を先延ばして増やしているだけ。

それなのに本人達は破産するまでそれに気づきません。

 

この感覚、日本人には分かりずらいです。

でも日本人が有給を取れなかったり、台風でも通勤したりしてしまうように、

消費に対する強迫観念に近いものが根底にあるのでしょう。

 

そして登場人物の多くは肥満体型です。

ぶよぶよとした、ホルモン剤で大きくなった鶏のような体。

口に入れるものにも頭に入れるものにも注意を払わないタイプの人達に見えます。

 

消費をすることは豊かさとイコールでないことがよく分かるドキュメンタリーです。

 

そして、失業自体は問題じゃないこともよく分かります。

失業したらすぐ破産してしまうような消費行動が問題なのです。

それどころが登場人物の数人はひっきりなしに労働しているにも関わらず破産しています。

 

アリでもキリギリスでもない、

アリの労働行動とキリギリスの消費行動とを掛け合わせたハイブリッド型です。